アンドレ・ザ・ジャイアントが前田日明にセメント試合を仕掛けたものの、返り討ちあってしまったという伝説の一戦です。
当時、ＵＷＦから新日本プロレスに出戻ってきた前田日明は新日本プロレス内で浮いた存在でした。出戻りのクセにデカい顔をしていやがる！というのもそうですが、対戦相手に合わせることをせず、キック主体で自分本位に闘う前田のファイトスタイルが新日本プロレスに合わないという理由も大きかったのです。
前田と新日本生え抜きレスラーの間にそんな不穏な空気が流れていたある日、三重県津市での興業において事件は起こりました。前田とシングルマッチで戦うことになったアンドレが、前田に思いっきり体重を乗せて来て、明らかに前田を潰す意思を見せて来たのです。それに対して前田日明が得意のローキックで応戦し、逆にアンドレを戦意喪失に追い込んで、結果、ノーコンテストの裁定が下されたのでありました。また、その試合内容があまりにも不穏だったが為に、当初予定されていたテレビ中継もお蔵入りとなってしまったのです。
さてこの試合・・・なぜアンドレは前田を潰そうとしたのでしょう？　新日本プロレス内で前田を気に入らなく思っていた“誰か”がアンドレを焚きつけたのでは？　それは自分に刃向かう前田のことが許せなかった猪木か？　次期エースの座を狙う長州か？　試合を組むのに苦労するマッチメーカーの坂口か？　そのような噂が真しやかに囁かれていたのです・・・
でも実際のところは、単純に跳ねっかえりで協調性の無い前田を少し懲らしめてやろうと思ったアンドレの独断だったという説が有力となっております。ＶＴＲが封印されたのも、単純に見ていて面白くない試合で、視聴率が取れなそうだったから放映しなかっただけのようです。また、なぜ新日本プロレスのレスラーが前田のキックを嫌ったのかと言えば、“痛いから”だそうですｗ
また、そんなクラッシャー・前田日明がこれまでのプロレスラー・格闘家人生において一番痛かったワザはと言うと、スタン・ハンセンのウエスタンラリアットだったとのことですｗ